この記事で比較するサービス

メインの比較対象は以下の4つです。いずれも国内で広く使われており、無料から始められるサービスです。

記事の後半には、これ以外のサービスについても簡単に触れます。

一目でわかる比較表

ギガファイル便 firestorage Googleドライブ 楽天ドライブ
無料の容量上限 1ファイル最大300GB 最大2GB(未登録)
最大40GB(無料会員)
15GB(保存容量) 10GB(楽天モバイル非契約者)
50GB(契約者)
保存期間(無料) 3〜100日(設定可) 最大7日(未登録)
実質無期限(無料会員)
無期限 無期限(ログイン継続が必要)
アカウント不要 (送受信とも) (未登録でも利用可) △(送る側は必要) ✗(楽天ID必要)
広告 多い 普通 なし なし
パスワード設定
ダウンロード回数制限 ✗ ✗ ✗
スマホ対応 △(PC前提の設計) (アプリあり)

容量で選ぶなら、答えはほぼ一つです

送りたいファイルが大きい——そういうケースでは、ギガファイル便が頭一つ抜けています。

1ファイルあたり最大300GBまで無料でアップロードできます。動画の書き出しデータや、高解像度の写真をまとめたフォルダなど、他のサービスでは容量オーバーになるようなファイルでも、ギガファイル便なら問題なく送れることが多いです。

firestorageは未登録だと1ファイル最大2GB、無料会員でも最大40GB程度までです。数百MBの資料ファイルや小さめの動画なら問題ありませんが、それ以上になると選択肢から外れます。

Googleドライブは「転送」というより「保存・共有」に向いた設計で、無料の保存容量は15GBです。15GBを超えるとファイルを置けなくなるため、大容量の一時転送には向いていません。

楽天ドライブは楽天モバイルの契約者なら50GBまで無料で使えますが、1ファイルあたりの上限はプランによって異なります。個人向けの一時転送には用途が限られます。

容量重視なら:ギガファイル便一択に近い

保存期間が短いと、相手が受け取れないことがあります

「ファイルを送ったのに相手がダウンロードできなかった」というトラブルの多くは、保存期間の切れが原因です。

ギガファイル便は3日〜100日の範囲で保存期間を選べます。デフォルト設定が何日になっているかはアップロード時に確認が必要ですが、長めに設定しておけばトラブルは減ります。

firestorageは未登録だと最大7日間です。「明日までに受け取ってください」という使い方なら問題ありませんが、少し間が空くと期限切れになるリスクがあります。無料会員登録をすると、ログインし続けている限りは実質的に無期限で保存できる仕組みに変わります。

GoogleドライブはGoogleアカウントにひも付いてファイルが保存されるため、保存期間の上限はありません。共有リンクも削除するまで有効です。継続的にやり取りをする相手への共有には向いています。

楽天ドライブも基本的に無期限で保存できますが、一定期間ログインがない場合は休眠状態になる仕様があります。日常的に使っていれば問題ない範囲です。

受け取りに時間がかかる可能性があるなら:ギガファイル便(保存期間を長めに設定)またはGoogleドライブ

アカウントなしで使えるかどうかは、相手の状況次第です

送る側だけでなく、受け取る側の環境も考える必要があります。

ギガファイル便とfirestorageは、送る側も受け取る側もアカウント不要で使えます。URLを共有するだけで完結するため、初めて連絡する相手や、ITリテラシーにばらつきがある相手への送付に向いています。

Googleドライブは受け取る側はアカウントなしでも閲覧・ダウンロードできます。ただし、「Googleドライブって何?」という相手に対しては、URLを送っても戸惑わせてしまう場合があります。

楽天ドライブは楽天IDが必要です。送受信ともにアカウントが前提になっているため、相手が楽天IDを持っていない場合は使えません。家族間や楽天モバイルユーザー同士での利用が現実的な使い方です。

初対面の相手・アカウントを持っていない可能性がある相手には:ギガファイル便またはfirestorage

広告が多いサービスは、相手を困らせることがあります

見落とされがちな点ですが、ギガファイル便は無料の代わりに広告表示が多いサービスです。

自分がアップロードするときはまだいいですが、相手がスマホでダウンロードページを開いたとき、広告によって「ダウンロードボタンはどれ?」という状態になることがあります。広告をダウンロードボタンと誤認してタップしてしまうケースも報告されています。

取引先や年配の方に送る場合は、この点を念頭に置いておくといいでしょう。firestorageも広告はありますが、ギガファイル便ほど多くはありません。GoogleドライブとiBookクラウドドライブは広告なしです。

受け取る側の体験を優先するなら:firestorage・Googleドライブ・楽天ドライブ

セキュリティが気になる場合の確認ポイント

業務上のデータや個人情報を含むファイルを送るときは、セキュリティの仕様を確認しておく必要があります。

パスワード設定:ギガファイル便・firestorage・Googleドライブ・楽天ドライブ、いずれも設定できます。特定の相手だけに見せたい場合は、URLと一緒にパスワードを別経路で伝える方法が有効です。

ダウンロード回数制限:ギガファイル便は「1回だけダウンロードを許可する」設定ができます。他のサービスにはないユニークな機能で、確実に1人にだけ渡したい場合に使えます。

通信の暗号化:4サービスいずれもHTTPS通信に対応しており、通信経路上でのデータ傍受への対策はされています。

データの保管場所:Googleドライブはサーバーが国外の場合があります。法令上の要件がある場合や、データの国内保管を求められる業種では確認が必要です。firestorageと楽天ドライブは国内サーバーを使用しています。ギガファイル便は日本企業が運営しています。

サービスごとのまとめ

ギガファイル便

大容量ファイルを一時的に渡す用途に特化したサービスです。1ファイル最大300GB・登録不要・保存期間を自分で設定できるという3点が強みで、「とにかく大きなファイルを送りたい」というニーズに一番応えられます。広告の多さと、スマホでのダウンロード体験のわかりにくさは、ユーザー側が意識しておく必要があります。

firestorage

国産サービスで、2008年から続く実績があります。未登録でも使えますが、無料の会員登録をすることで保存期間の制約がほぼなくなります。1ファイル2GBまでという制限はギガファイル便に劣りますが、普通の資料やドキュメント送付には十分です。PCベースの設計なので、スマホからの操作は少し使いにくい場面があります。

Googleドライブ

「転送」よりも「保存・管理・共有」に向いたサービスです。継続的にやり取りをする相手とフォルダを共有したり、複数人でアクセスできる場所にファイルを置いたりする用途に強みがあります。相手もGoogleアカウントを持っていることが前提になる場面では、少し敷居が上がります。

楽天ドライブ

楽天モバイルの契約者であれば50GBまで無料で使えるという点が大きな特徴です。写真や動画のバックアップ、デバイス間の同期、家族への共有など、日常的な用途に向いています。ファイルを一時的に外部の人に渡すという使い方よりも、自分のストレージとして活用するイメージに近いサービスです。

そのほかのサービスについて

Dropbox Transfer:Dropboxが提供する一時ファイル転送機能です。無料プランでは月100GBまで転送でき、受け取り側はDropboxアカウント不要です。Dropboxをすでに使っている場合に選択肢に入ります。

宅ファイル便:2019年にサービス終了しています。現在は使えません。

シーン別おすすめまとめ

状況おすすめ
動画など大容量ファイルを送りたいギガファイル便
相手がアカウントを持っていないギガファイル便・firestorage
広告なしで受け取り体験をよくしたいGoogleドライブ・楽天ドライブ
継続的にフォルダを共有したいGoogleドライブ
楽天モバイルユーザー同士でやり取りする楽天ドライブ
資料など100MB〜2GB程度のファイルを送りたいfirestorage
ファイルではなくURLだけ別のデバイスに渡したいPASHIRU(6桁コードURL共有)

まとめ:3つの軸で絞れます

迷ったときは、次の3点で考えてみてください。

① ファイルサイズはどれくらいか
数百MBまでならどのサービスでも対応できます。数GBを超える場合はギガファイル便が現実的な選択肢です。

② 相手はアカウントを持っているか
初めてやり取りする相手や、アカウント不明の相手には、登録不要で使えるギガファイル便かfirestorageが無難です。

③ 何日以内に受け取ってもらえるか
すぐ受け取ってもらえる確信がある場合はどのサービスでも問題ありません。余裕がある場合はGoogleドライブか、ギガファイル便で保存期間を長めに設定しておきましょう。

なお、送りたいのがファイルではなくURLだけという場合は、専用のサービスを使う方がシンプルです。PASHIRU(6桁コードによるURL共有サービス)は、6桁のコードを使って登録不要でURLを別のデバイスや相手に渡せるサービスです。「このページを後でスマホで開きたい」「連絡先を交換していない相手にURLを渡したい」というような場面で使えます。ファイル送信サービスとは用途が異なりますが、組み合わせて使うと便利です。